ファイザー社、FDAよりXALKORI® (一般名クリゾチニブ)の承認取得
-ALK融合遺伝子陽性の局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する
世界初にして唯一の治療薬
報道関係各位
2011年9月2日
ファイザー株式会社
英文タイトル:
- U.S. Food And Drug Administration Approves Pfizer’s XALKORI® (crizotinib) As First And Only Therapy Specifically For Patients With Locally Advanced Or Metastatic ALK-Positive Non-Small Cell Lung Cancer
米ニューヨーク州ニューヨーク発、2011年8月26日-本日、ファイザー社は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)を標的とした世界初の治療薬であるXALKORI®(一般名:クリゾチニブ)カプセルを米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)が承認したと発表しました。適応症は、ALK融合遺伝子陽性とFDA承認の検査法で診断された局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC: Non-Small Cell Lung Cancer)の治療です。XALKORI®の効果は客観的奏効率(ORR: Objective Response Rate)に基づくものです。XALKORIはFDAによって迅速承認が適用されたため、ファイザー社は、その臨床的ベネフィットをさらに評価するため、製造販売後臨床試験を実施中です。
ファイザー社のイアン・リード社長兼最高経営責任者(CEO: Chief Executive Officer)は次のように述べています。「他の癌種に比べて、肺がんは毎年の死亡者数が世界で最も多いがんです。XALKORIはこの悲観的な疾患の治療に進歩をもたらす治療薬であり、ある特定の肺がん患者さんに対して新たな治療選択肢をもたらします。社内外の多くの方々の連携と多大なる尽力から迅速に推し進められたXALKORIの臨床開発プログラムは、まさにファイザーの個別化治療への取り組みの姿勢を示すものです。こうした取り組みにより、私たちは今後も開発パイプラインを発展させ、また、必要とする方々に必要とされる医薬品をお届けするというイノベーションのコアを強化していきます」
標的治療薬とコンパニオン診断薬(*1)についてのFDAの最新のガイダンスに沿い、当社はFDAと緊密に協力するとともに、臨床試験において、アボット・モレキュラー社ともパートナーとして連携し、ALK融合遺伝子を識別するための診断キット「Vysis ALK Break Apart FISH Probe Kit」とXALKORIの同時審査と承認を確かなものとしました。今回、XALKORIと「Vysis ALK Break Apart FISH Probe Kit」との同時審査が行われましたが、ファイザーオンコロジーの医薬品に限らず、肺がん治療薬が診断キットと同時開発/承認されたのは史上初のことです。
*1)コンパニオン診断薬=ここでは、その標的療法を選択するか否かを決定するための検査法を指す(原文上では注釈なし)。
XALKORIは、数々の専門薬局を通じて販売されています。XALKORIを処方された患者さんは、+1-877-744-5675に電話すれば、この医薬品に関する情報を入手できます。FDA承認済みのALK融合遺伝子検査についての詳細は、 +1(855) TEST-ALK (837-8255) にお問い合わせください。
米デンバー州コロラド大学の医学教授でJames Dudleyがん研究センターの座長であるPaul Bunn博士は次のように述べています。「たとえばALKのようなNSCLCを遺伝的に促進する因子を真に理解することにより、私たちは治療に反応するであろう患者さんを事前に特定することができます。XALKORIは、将来の医薬品開発とがん治療へのアプローチのモデルとなるでしょう。XALKORIは、FDAが約6年ぶりに承認した肺がん治療の新薬です。NSCLCの治療において、画一的な治療法から、バイオマーカーに基づいて治療選択が行われる方向に変化しようとしていますが、XALKORIは、そのようなパラダイム・シフトを代表する製品です」
XALKORIの臨床試験では、まず患者さんの腫瘍組織のALK融合遺伝子が陽性であることを予め確認する試験デザインでした。それにより、治療に対する期待奏効率が高まるわけですが、この方法は、肺がん治療薬としては初めてのものであり、研究者らが、選択された患者集団において、強力な有効性のシグナルを観察することを可能にしました。暫定的な疫学研究が示唆するところによると、ALK融合遺伝子陽性の割合はNSCLCの約3-5%です。すなわち、米国においては年間6,500名~11,000名の患者数ということになります。
ファイザー社オンコロジー事業部門の臨床開発・メディカル・アフェアーズ担当シニア・ヴァイス・プレジデントであるMace Rothenberg博士は次のように述べています。「XALKORIは肺がんの個別化治療における新たな展開を示すものであり、医師が適切な患者さんに適切な治療を施すことを可能にします。XALKORIの開発は、NSCLCにおけるALK融合遺伝子発見についての論文発表からわずか4年でFDA承認に至りました。オンコロジー領域における卓越した業績です。また、各研究機関、製薬/診断薬企業、規制当局などとの連携の重要性を再確認するものです」
このように、予め患者集団を絞り込んで実施したXALKORIの治験において、ALK融合遺伝子陽性患者における奏効率は50%及び61%でした。
全米肺がんパートナーシップの会長であり、テキサス大学サウスウェスタン医療センターの血液学/腫瘍学責任者であるJoan Schiller博士は次のように述べています。「本日のXALKORIの承認は、がん治療における分子バイオマーカーの重要な役割を強調するものです。肺がんの患者の皆様は、ぜひ担当の腫瘍専門医に腫瘍の遺伝子診断について問い合わせてください。ご自身の腫瘍の分子的生物学的特性を十分に理解することで、患者さんと医師は十分な情報に基づく治療判断を行うことができるのです」
クリゾチニブの新薬承認申請は、日本の厚生労働省、韓国の健康省、欧州医薬品庁、およびスイス医薬品庁にも提出されています。
XALKORIの臨床データ
FDAによる今回のXALKORIの承認は、ALK融合遺伝子陽性の局所進行または転移性NSCLC患者さん255例のデータに基づくものです。これらの患者さんは、2つの多施設共同・単群試験に参加しており、これらの試験は、第2相試験(PROFILE 1005)と第1相試験(1001試験)の拡大コホート(*2)でした。いずれの試験においても、有効性の主要評価項目は、「固形がんの効果判定基準」(RECIST Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)に基づく客観的奏効率(ORR)でした。効果判定は、治験責任医師によって評価され、奏効の持続期間(DR: Duration of Response)も評価対象となりました。
*2)拡大コホート=ここでは、第1相試験で推奨使用用量設定後、特に安全性と一部有効性をみるために症例数を増やした患者群のこと(原文上では注釈なし)。
PROFILE 1005(n=136)における、治験責任医師の評価に基づくORRは50%でした。これには、1例の完全奏効と67例の部分奏効が含まれます。治療期間の中央値は22週間でした。完全奏効または部分奏効が確認された患者さんの79%では、治療開始後8週間で腫瘍の縮小がみられました。DRの中央値は41.9週間でした。
1001試験(n=119)において、治験責任医師の評価に基づくORRは61%でした。これには、2例の完全奏効と69例の部分奏効が含まれます。治療期間の中央値は32週間でした。完全奏効または部分奏効が確認された患者さんの55%では、治療開始後8週間で腫瘍の縮小がみられました。DRの中央値は48.1週間でした。
上記2つの試験において最も多く見られた副作用(25%以上)は、視覚障害、悪心、下痢、嘔吐、浮腫、および便秘でした。少なくとも4%の患者さんに見られたグレード3または4の副作用として、ALT上昇および好中球減少症がありました。
XALKORI ® (クリゾチニブ) の第3相試験について
市販後に義務づけられる試験の一環として、ファイザー社は無作為化・非盲検の検証的第3相試験でXALKORIの評価を続けています。PROFILE 1007試験は、前治療歴を有するALK融合遺伝子陽性NSCLCの患者さんにおいて、XALKORIの有効性と安全性を標準的な化学療法(ペメトレキセドまたはドセタキセル)と比較する試験です。 PROFILE 1014試験は、ALK融合遺伝子陽性の未治療の非扁平上皮癌の患者さんにおいて、XALKORIの有効性と安全性をペメトレキセド/シスプラチンまたはペメトレキセド/カルボプラチンと比較する試験です。
非小細胞肺がんについて
世界的に見ると、肺がんは、男性のがん死因のトップで、女性のがん死因の第2位です。NSCLCは肺がんの約85%を占め、特に転移症例では治療が困難な腫瘍です。NSCLC患者さんの約75%は、診断時にすでに進行期で転移や進行が認められていますが、その時点からの5年生存率はわずか6%です。
ファイザーの患者さん支援プログラムについて
ファイザー社は、XALKORI処方の適格基準に合致する患者さんが本剤を入手できるよう、支援に当たっています。また、そのプロセスを促進するため、「ファイザー・ファースト・リソース・プログラム」を提供しています。このプログラムは、適格基準に合致する・被保健患者さんが専門薬局において、本剤の入手にあたって償還支援サービスを受けるものです。保険に入っていない、あるいは十分な保険を有していない患者さんは、このプログラムの基準に合致する場合は無料で本剤を入手できます。また、当社は適格基準を満たす民間保険加入者のために、自己負担金支援プログラムも用意しています。支援を必要とする患者さんは、「ファースト・リソース」に電話いただき、プログラム適用の資格についてご確認ください(+1-877-744-5675)。詳細は下記のサイトをご覧ください。
www.XALKORI.com.
XALKORI® (クリゾチニブ) について
XALKORIはキナーゼ阻害剤であり、適応症は、ALK融合遺伝子陽性とFDAが承認した検査法により診断された局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC: Non-Small Cell Lung Cancer)の治療です。この適応症は奏効率に基づくものです。XALKORIによって、治験に参加された患者さんによる本剤投与後の調査報告や生存率に改善が見られたということを示すデータはありません。XALKORIは複数の細胞内経路におけるシグナル伝達を遮断します。こうした経路は、腫瘍細胞の増殖と生存に必須と考えられており、遮断によって腫瘍の安定化や縮小が生じる可能性があります。ALK遺伝子の変異は、NSCLCのようながんにおいて腫瘍形成の主要な誘発因子と考えられています。ALK融合遺伝子は非扁平上皮細胞がんの患者さんや、喫煙歴がないか、あっても少ない患者さんに認められることが知られていますが、喫煙者や扁平上皮細胞がんの患者さんにも認められています。ALK遺伝子の変異における変化は、年齢、性別、人種、喫煙歴などを問わず起こる可能性があります。 XALKORIは、c-MET受容体チロシンキナーゼに対する阻害効果も示しており、現在研究が進められています。 追加情報および処方に関する全ての情報については、下記のサイトをご覧ください。 www.XALKORI.com.XALKORI® (クリゾチニブ) の重要な安全性情報
臨床試験において、XALKORI投与と関連した重篤または致死的な肺炎が255例中4例(1.6%)報告されています。別の原因による肺炎は除外されています。XALKORI投与に関連した肺炎が認められた患者さんでは、XAOKORIの投与を中止してください。
グレード3または4のALT上昇が、PROFILE 1005では7%、1001試験では4%の患者さんにおいて認められました。PROFILE 1005で3例(2%)、1001試験で1例(1%未満)において、XAOKORIの投与が中止されました。ALTとビリルビンを含む肝機能検査を月一回、または臨床上の必要性に応じて実施することが求められます。また、グレード2-4のトランスアミナーゼ上昇を認めた場合は、さらに頻回に検査を実施してください。適応に示されているように、XALKORIの一時休薬、用量の減量、投与中止をお願いします。
QT延長が認められています。先天性QT延長症候群の患者さんへは、XALKORIの投与は避けてください。うっ血性心不全、徐脈性不整脈、電解質異常が認められる患者さん、または、QT延長を引き起こすことが知られている医薬品を使用している患者さんでは、心電図および電解質の定期的なモニタリングを考慮してください。グレード4のQT延長が認められた場合は、XALKORIの投与を完全に中止してください。グレード3のQT延長を認めた場合は、グレード1以下に回復するまでXALKORIを休薬してください。グレード3のQT延長が再発した場合は、XALKORIの投与を中止してください。
XALKORIを投与にあたっては、その患者さんが、ALK融合遺伝子陽性NSCLCであることをFDAが承認した検査法により検出することが必要です。
XALKORIを妊婦に投与すると、その作用機序により、胎児に致死的な障害を引き起こす可能性があります。妊娠する可能性のある女性には、XALKORI投与中の避妊を指導してください。患者さんまたはそのパートナーが本剤投与中に妊娠した場合、患者さんは、胎児への潜在的な危険性について説明を受けてください。
XALKORIの安全性は、2つの単群の臨床試験(PROFILE 1005と1001試験)で、ALK融合遺伝子陽性の局所進行または転移性NSCLC患者さん255例において評価されました。両試験を通じて最も多くみられた副作用(25%以上)は、視覚障害、悪心、下痢、嘔吐、浮腫、便秘でした。4%以上の患者さんにみられたグレード3/4の副作用に、ALT上昇および好中球減少症がありました。
臨床試験において、視力低下、光視症(光が点滅する感覚)、かすみ目、硝子体浮遊物、羞明(光への過敏)、複視(二重に見える)などの視覚障害が認められた患者さんは159例(62%)でした。
特に、光視症や硝子体浮遊物の増加等を患者さんが訴えた場合、必ず、眼科専門医による評価・検査を考慮してください。重篤なまたは悪化する硝子体浮遊物および/または光視症は、網膜円孔や網膜剥離の兆候である可能性があります。視覚障害を認めた患者さんが運転や機械操作を行う際には、注意を促してください。
ファイザーオンコロジーについて
ファイザーオンコロジーは世界のがん患者さんに希望の光をもたらすため、革新的な治療選択肢の発見、研究、開発に注力しています。当社の強力なパイプラインは業界で最も堅固なものであり、科学的な発見の中でも最もよい物を探し出し、多様ながん患者さんのために臨床応用することに的を絞った研究を進めています。当社は生物製剤と小分子を臨床開発するとともに、100以上の臨床試験を実施中です。学術機関、個人研究者、共同研究グループ、政府、技術提携先などと協力しながら、ファイザーオンコロジーは画期的な医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールに真剣に取り組んでいます。適切な医薬品を適切な患者さんに適切なタイミングで届けることがファイザーオンコロジーの使命です。詳しい情報はwww.pfizer.comで入手できます。ファイザーについて:より健康な世界の実現のために
ファイザーでは、あらゆるライフステージにおける健康と福祉の向上を目指し、科学、そして当社のグローバルのリソースを活用しています。ヒト、動物用の医薬品の発見、開発および製造における品質、安全性、価値に関して高い基準を設ける努力を続けています。当社の多角化したグローバルなヘルスケア製品のポートフォリオには、ヒト、動物用の生物学的製剤および低分子化合物、ワクチンと共に、栄養管理製品や世界でも知名度の高い多くの一般消費者向けの製品が含まれています。毎日の生活のなかで、ファイザー社のスタッフは先進国や新興国市場で業務に携わり、今の時代に最も恐れられている病気と闘うため、福祉、予防、治療などの進歩に努めています。世界をリードするバイオ医薬品企業としての責務を果たすべく、当社は医療従事者、政府、そして地域のコミュニティと協力して、世界中で信頼性が高く適切なヘルスケアを支援し拡大していきます。150年以上もの間、ファイザーは当社を信頼してくださる全ての方々のために、少しでもよい結果をもたらすことができるように事業に取り組んで参りました。当社の取り組みの詳細はホームページをご覧ください。
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